KNOWLEDGE

脂質異常症を防ぐ

こんな行動 心当たりありませんか?

夜遅い時間に外食

座りっぱなし

ストレスはお酒とスイーツで解消

脂質異常はさまざまな病気の原因です

脂質異常症とは、血液中のコレステロール中性脂肪の値が基準から外れている状態のことです。
動脈硬化を促進させ、健康に次のような悪影響を及ぼす可能性があります。

生活習慣病関連

狭心症・心筋梗塞

動脈硬化により、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が狭くなって部分的に血流が低下することで、狭心症を引き起こします。さらに動脈硬化が進み、血管が詰まって心筋に酸素が届かず壊死すると、心筋梗塞を引き起こします。

脳梗塞

脳に血液を送る血管に動脈硬化が進んで血管が詰まり、脳の神経細胞が壊死することで発症します。脳梗塞が起こった場所によって、麻痺(手や足が動かなくなる)、言葉が出にくくなるなど、さまざまな症状が起こります。ひどい場合には、命にかかわることもあります。

末梢動脈疾患(PAD:Peripheral Artery Disease)

主に足や手の比較的細い血管に動脈硬化が起こることで生じる病気です。とくに、足の血管が動脈硬化によって詰まり、歩きにくくなったり壊死を起こしたりすることがあります。悪化すると手術が必要になる場合があります。

 

 

脂質異常症のめやす

受診勧奨判定値に当てはまったら、治療が必要かどうか医療機関を受診し、相談してください。

脂質まめ知識

  • ● 悪玉コレステロール/善玉コレステロール

    よく「悪玉コレステロール」「善玉コレステロール」と耳にしますが、実際はそれぞれ「LDLコレステロール」「HDL コレステロール」といいます。「悪玉」はコレステロールを血管に運び込み、「善玉」は余分なコレステロールを回収します。余分なコレステロールが血管壁に粥状(じゅくじょう)にたまると動脈硬化を引き起こします。

  • ● あぶらの種類

    私たちが食事から摂取するあぶら(油、脂質)は大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分かれます。「飽和脂肪酸」はバターやラードなど脂肪として体内に蓄えられやすく、「不飽和脂肪酸」はオリーブオイルやごま油、青魚(サバ、イワシ、サンマなど)に多く含まれるEPAやDHA※などで、エネルギーや体の構成成分になります。食べすぎはいけませんが、「不飽和脂肪酸」は“健康によい”といえます。

    ※ EPA =エイコサペンタエン酸、DHA =ドコサヘキサエン酸

さあ、できることから変えてみよう!

予防・改善のためにできること

食事 飽和脂肪酸などのあぶらを控え、野菜・魚・食物繊維を意識的にとりいれましょう。

運動  生活に有酸素運動(ウオーキングやジョギング)をとりいれましょう。

ストレス  ストレスを受けたときに分泌されるホルモンには、コレステロールを高める作用があります。十分な休養とリラックス法で自律神経のバランスを整え、ストレスをためないようにしましょう。

 

楽しみながら健康に!

次の方法にTRY!

  • 簡単にできる!

    食事

    中性脂肪を減らす作用のある青魚(サバ、サンマ、イワシなど)を食べる

     

  • 行動

    テレビやスマホを見るときに「立つ」「ストレッチする」など、ながら運動をする

  • 通勤ルートは「一駅手前で降りて歩く」に固定する(可能な範囲で)

  • 魅力的!

    行動

    健康診断の数値が改善したら、自分にごほうび

  • 運動

    運動するとポイントが貯まるアプリやイベントを利用する

  • ストレス

    趣味や推し活でストレス発散!

  • みんなでやってみよう!

    運動

    職場の健康イベントに参加する

  • 行動

    家族と健診結果を共有して、みんなで健康に

  • 食事

    職場の仲間と「ノー揚げ物ランチ」にチャレンジ

  • いまやるとき!

    食事

    飲み会前に軽く食べてから参加する

  • 旬の野菜や魚をとりいれた、ヘルシーな食事に

  • 行動

    健診を受けたら直後に改善する行動を1つだけ決める

 

 

※本稿はナッジの考え方をもとに作成しています。

 

 

 

監修:福田 吉治 帝京大学大学院公衆衛生学研究科 教授
   杉本 九実 帝京大学大学院公衆衛生学研究科 特任助教

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