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ドラッグストアで買える 漢方薬の上手な活用術
病院に行くほどではないけれど、なんとなく体調が優れないとき、漢方薬を試してみたいと思ったことはありませんか?
OTC※1漢方薬を正しく知って、自分や家族のセルフメディケーションに役立ててみましょう。
監修:薬剤師/漢方アドバイザー 杉山卓也
西洋薬と漢方薬の違い
処方薬も含め西洋薬は症状をコントロールして重症化を抑えたり、原因となる菌やがん細胞をピンポイントで攻撃したりして症状を改善しますが、漢方薬は原因となる病態を究明し、体質を改善することで根本的な改善を促します。病院で診察を受けても異常が見つからない、でも自覚症状があるといった場合は漢方薬が向いています。
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漢方薬は効果が弱いってホント?
かぜやじんましんなどの急性症状は1〜数日で効果を実感できますが、病気の根が深い慢性症状の場合、効果が出るまで数ケ月、ときには年単位の時間を要することがあります。つまり、「効果が弱い」のではなく効果が発揮されるまで「時間がかかる」というのが正解です。
漢方薬の利用方法
漢方薬を選ぶ際、パッケージに書かれている記載を必ずよく読んでください。
1 普段の体力から選ぶ
「効能・効果」欄に、「体力中等度」「体力充実」といった体力分類があるのがOTC漢方薬の特徴です。そもそも漢方では、体内の「気・血・水」のバランスを重視し、不足しているものを補ったり、余剰なものを削ぎ落としたりして治療します。そして、健康状態を知るひとつの診断方法として「弁証論治」※2を行い「証」※3を導くことで、その人の体質を「気・血・水」が不足している「虚証」か、過剰に体内に溜めてしまう「実証」かに分けます。
しかし、自分で「証」のタイプを正しく判断するのは簡単ではありません。そこでOTC漢方薬ではタイプを知る“ものさし”として体力を用い、下記のように「虚証」から「実証」を5つに分けています。
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気・血・水の バランス図
漢方では、体内の「気・血・水」がバランスよく循環している状態が「健康」
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漢方5つの 体力分類
虚証
・やせている
・胃腸が弱い
・疲れやすい
・落ち込みやすい実証
・がっしりしている
・胃腸が丈夫
・のぼせやすい
・便秘がち真ん中が「中等度」、「充実」は胃腸や体が丈夫な人、「虚弱」は胃腸や体が弱い人、冷えやすい人、高齢者などが該当
2 現在の症状で選ぶ
かぜのひきはじめには葛根湯、長引くかぜには柴胡桂枝湯などがよく用いられることは知られていますが、同じ病気でもタイミングにより症状(悪寒、関節の痛み、咳など)が変わるので、「効能・効果」より、そのときの症状に適した薬を選びます。
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3 不安に思ったら専門家に相談

必ず薬のパッケージに書かれた用法・用量を確認してください。慢性疾患の目安として1ケ月以上のんでもまったく効果が出ないなら、漢方薬の選択が間違っている可能性があるので、漢方専門薬局や一般薬局の薬剤師に相談しましょう。自分の判断で他の薬と併用するのはNGです。どうしても必要なら医師か薬剤師、またはドラッグストアの登録販売者に相談してください。
※1 ドラッグストアなどで処方せんなしで購入できる医薬品
※2 東洋医学の診断・治療法を示す方法論。その診察方法を四診(望診、聞診、問診、切診)という。望診は皮膚、舌、爪の色などの外見から観察すること。切診は脈や腹部など患者の体に触れて状態を知ること
※3 体質や見た目、現在の症状などを総合的に見たもの
参考文献:『現場で使える 薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖』杉山卓也著 翔泳社





