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こんなに怖い動脈硬化
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動脈硬化とは、血管の内側にコレステロールや炎症物質が蓄積し、血管が厚く硬くなる状態です。本来しなやかな血管は弾力を失い、血流が妨げられます。その結果、詰まりや破裂が起こりやすくなります。
動脈硬化は、自覚症状がほとんどないまま進行します。健診で良くない検査結果が出ても日常生活に支障がないため見過ごされがちとなり、ある日突然、命に関わる病気として表面化することがあります。
食べすぎなどの食生活や喫煙、運動不足など、日常の生活習慣が血管に影響を与えます。しかし早い段階で対策すれば進行を抑えることも可能です。
動脈硬化にかかるとこんな病気になる
全身の血管で動脈硬化が進むと、深刻な疾患を引き起こします。
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心臓の病気

狭心症・心筋梗塞
心臓の血管・冠動脈(かんどうみゃく)が狭くなったり詰まったりすることで発症します。胸の圧迫感や激しい痛みが起こります。心筋梗塞が起こると、心臓の筋肉が壊死します。命を取り留めても心機能が低下し、日常生活に制限が生じることがあります。
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脳の病気

脳梗塞
脳の血流が途絶え、神経細胞が損傷します。麻痺や言語障害などの後遺症が残ることも多く、長期のリハビリや介護が必要になることがあります。
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大動脈の病気

大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)
体の中で最も太い血管・大動脈の血管壁が弱くなって拡張し、コブ状になった状態です。破裂すると生命の危険が高く、緊急手術が必要になります。
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末梢(まっしょう)動脈の病気

閉塞性動脈硬化症
主に足の血流が低下し、歩行時の痛みや冷感が現れます。重症化すると潰瘍や壊死につながることがあります。
こうした病気は自立した生活を脅かすだけでなく、就労の継続にも大きな影響を与えます。動脈硬化の進行は、健康状態の悪化だけではなく、ご自身や家族の生活基盤にも関わる大きな問題となります。
動脈硬化になるとこんなに医療費がかかる
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もし自覚症状のないまま急性心筋梗塞や脳梗塞を発症した場合、救急搬送、集中治療、カテーテル治療や手術、入院、リハビリまで含めると、急性期だけで数十万〜100 万円以上になることがあります。高額療養費制度などによって自己負担は抑えられますが、休職や収入減少、長期通院による支出も想定され、その負担は小さくありません。さらに後遺症が残れば、医療費だけでなく介護費用などが加わります。
動脈硬化は、健康だけでなく家計にも大きなダメージを与えると考えてください。 -
自分ゴトとして捉えると 社会に良いコトにつながる

日本の最新の国民医療費(2023 年度)心疾患(高血圧性のものを除く)は2.3 兆円、脳血管疾患は1.8兆円の医療費がかかっています(左図参照)。
健診数値の悪化といった自分ゴトを意識して動脈硬化にならないように行動することは、自分や家庭だけでなく国全体の医療費を増加させないことにもつながります。 -
医療と国民皆保険制度の未来はきいろ信号→みどりに変えるために

(健康保険組合連合会「ポスト2025」健康保険組合の提言より)
日本の国民皆保険制度は、誰もが必要な医療を受けられる、世界に誇る医療保険の仕組みです。しかし、2008 年に34.8 兆円だった国民医療費は、2023年には48.1兆円にまで膨らみ、2040年には73.3兆円にのぼるとも予測されています。その理由は、高齢者人口の増加と現役世代の減少によります。現役世代が納める健康保険料の約4割は高齢者医療を支えるために使われており、この15年間で保険料負担は1.35倍になりました。
国民皆保険制度を未来に引き継ぐために「誰かが支える制度」から「全世代で支え合う制度」への転換が必要です。そのためには、一人ひとりの「気づき」と「行動」が大切です。
動脈硬化を予防しよう
まずは健診結果の確認をしましょう。以下は一般的に注意が必要とされる目安です(こちらもご参照ください)。
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健診でチェックしたい主な項目

LDLコレステロール 120mg/dL以上 HbA1c 5.6%以上 中性脂肪 150mg/dL以上 BMI 5.6%以上 血圧 収縮期130mmHg以上
または拡張期85mmHg以上腹囲 男性85cm以上
女性90cm以上空腹時血糖 100mg/dL以上
動脈硬化を防ぐために、次のような生活習慣を心がけましょう。
食生活
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野菜・豆・海藻を増やし、食物繊維を十分にとることでLDL低下が期待
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青魚を週2回以上取り入れると中性脂肪の改善に
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脂身や加工肉を控えることで脂質異常の予防に
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減塩は血圧低下に有効
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適正体重を維持すると血糖・脂質の改善に
運動習慣
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早歩きなどの有酸素運動を週150分以上行うと心血管リスク低下が期待
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筋力トレーニングを週2回行うと代謝改善に
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長時間の座りすぎは避けよう
動脈硬化は自覚症状なく、静かに進行します。しかし健診結果で気になる数値を見つけたとき、日頃の生活習慣を改善して動脈硬化を防ぐことができれば、将来の健康と医療費の負担軽減につながります。さあ、今から一歩踏み出しましょう。







